我が国経済は、30年間続いてきたデフレから脱却する千載一遇のチャンスを
迎えており、投資や賃金が抑制される「コストカット型経済」から、民需主導
の成長型経済という新しいステージへの「光」が差しています。現在、最も求
められることは、物価上昇に負けない賃金上昇を実現し、消費に力強さを取り
戻すことです。令和6年(2024年)の日本経済は、一時停滞感を強めたものの
回復基調を維持し、3月にマイナス金利を終了、日経平均株価は史上最高値を
更新、公示地価上昇率や春闘賃金上げ率は、バブル期以来の伸びを記録するな
ど、幅広い分野でインフレ経済への回帰が見られ、「デフレからの脱却」を実現。
それでも政府は、デフレに戻る可能性を残すとして、「デフレ脱却宣言」を
留保。ただ、条件に挙げた(1)賃金の持続的上昇、(2)コスト増の販売価格への転嫁、
(3)サービスを含めた物価上昇の広がり、(4)安定的な物価上昇予想、は」いづれも
クリア。景気は年初に大手自動車メーカーの出荷停止などからつまづいた後、
年央以降は個人消費の復調や好調なインバウンド所用により回復したが、2024
年通年の成長率はマイナスに。円安や人手不足、海外景気の減速・停滞が逆風
となり、デフレギャップを残した
このような状況の中で、徳島県では新たに決定した最低賃金980円が2024
年11月1日より適用されています。徳島の最低賃金は、全国でも過去最大の
引き上げ額84円の9.4%増となり、四国内では最も高い賃金額、全国順位
では、27番目に高い最低賃金となりました。徳島県の最低賃金の異例の引き
上げ額84円は全国的にも話題になり、徳島からの人材流出を防ぐカギとなること
が期待されています。当会としても昨年に引き続き最低賃金の上昇に対応した
シルバー人材センター会員への配分金額に改定し、会員の手取り金額増加に取
り組んできました。
会員数は、1年間に8名の入会者がありましたが、加齢、病気や死亡に伴う
退会者が8名あり、前年と同数の112名となりました。
経常収益は、46,938千円となり3,793千円の前年比8,8パーセン
トの上昇でした。経常費用は、53,617千円となり3, 705千円と7.4
パーセントの増に抑えることができ、当期経常増減額が675千円とプラス
を継続することとなりました。
高齢社会のニーズに対応した地域安心サポート事業の実績は、0件でした。
在宅でできるだけ長く生活するうえで必要な事業であり、継続して家庭訪問等
を実施し事業のPRに努め、町役場や社会福祉協議会とも情報共有を図りなが
ら利用者獲得につなげていきます。
以下事業概要は次のとおりです。
(1)安全・適正就業の推進
安全で適正な就業は事業運営の根幹ととらえ、事故ゼロを目指しました。
安全は、自分の問題として取り組む意識を持つことが最も大切であるため、
自己管理能力を養っていただくために参考図書である「シルバー世代の健
康管理」を会員に配布し、健康意識の高揚に努めました。また、職員が、
ほぼ毎週適宜、就業現場パトロールを実施のうえ作業状況を確誌し、事故
の発生防止と会員の健康管理に努めました。
また、暑いさなかの作業時には、会員の熱中症対策としてお茶の差し入
れを実施しました。
(2)普及啓発と会員拡大及び就業機会の開拓・拡大
シルバー事業の理念が、住民や町内企業等に深く浸透を図るために普及
啓発活動を積極的に推進しました。令和6年10月〜令和6年11月に会員
1名を雇用し、町内の家庭を戸別訪問して入会促進と就業開拓に努めまし
た。10月の普及月間には、町の主催する健康福祉祭りにおいて、参加者
にリーフレットを配布し、のぼりも立てて宣伝に努めました。
また、恒例のボランティア活動として11月3日に星谷運動公園の清掃や
草抜きを実施し、PRと社会貢献に努めました。
12月には、職員が挨拶を兼ねて顧客訪問し、カレンダー・タオルを配
付するとともに、年賀状等でPRを行いました。
就業機会の開拓・拡大に向けては、企業・法人・町役場等を訪問し、高
齢者の就業について理解を求め、就業機会の拡大に努めました。
12月18日には理事長と事務局長が町長と町議会議長に全国シルバー
人材センター事業協会の総会で決議された「地域社会に貢献するシルバー
人材センターの決意と支援の要望」と題された要望書を提出しました。
町内の一人暮らし、障害者がおられる世帯や高齢者のみの世帯を対象と
した「地域安心サポート事業」は、在宅生活を長くするうえで欠かせない
事業なので、戸別訪問をするなど継続的に制度の普及に努めました。
町内の高齢者を対象として専門性の高い就業に応じるための講習会「み
かんの木の剪定講習会」を星谷で開催し、就業に必要な技能や知識の習得
に努めました。
(3)シルパー派遣事業と職業紹介事業の推進
シルバー派遣事業及び職業紹介事業は、多様な働き方の中で臨時的かつ
短期的な就業又はその他の軽易な業務に係る就業の範囲において、意欲と
能力のある高齢者が働き続けられる環境を整備した事業であり、派遣就業
受注に向けて町内企業等を訪問し、就業機会の開拓・拡大に努めました。
就業会員には、派遣就業のマニュアル「労働者派遣事業の適正な運営及び
就業条件」等を説明し、派遣事業への理解を深めました。
職業紹介事業については、県連合会と連携し、職業紹介事業を推進しま
したが、該当者がありませんでした。
(1)諸会議の開催及び事務局機能の充実
定時総会1回、理事会3回開催し、センターの効率的な維持運営と事務
の改善合理化を推進し、円滑な事業運営に努めました。
(2)県連合会事業への参加
徳島県シルバー人材センター連合会のリモート研修会に参加し、職員の
資質の向上と事業の開拓・発展に努力しました。
(3)情報公開
書類の事務所内掲示・備え置き及びインターネットのホームページで情
報を公開しました。
1.理事及び職員の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するた
めの体制の運用状況
・理事会は、法令・定款及び理事会運営規則に従い、重要事項を決定す
るとともに、理事の職務の執行を監督しました。
2 理事の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する事項
理事の職務執行は、法令及び定款等に基づいて行われ、その職務執行
に係る情報は、法令等に基づき理事会議事録に記載され、その記録の保
存・管理は、法令等に基づき適切に保存及び管理しています。
3.業務の適正を確保するための体制の運用状況の概要
・ 内部の統制については、規程等に基づき重要な不備がないかを常時確
認しています。
事業報告の附属明細書
令和5年度事業報告には「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律施
行規則」第34条第3項に規定する付属明細書「事業報告の内容を補足する
重要な事項」が存在しないため作成していない。
令和6年5月
公益社団法人勝浦町シルバー人材センター